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105のもみあげについて

 

死のうと思っていた。

ことしの正月、よそから着物を一反もらった。

お年玉としてである。

着物の布地は麻であった。

鼠色のこまかい縞目が織りこめられていた。

これは夏に着る着物であろう。

夏まで生きていようと思った。

―太宰治《葉》―